サステナブルな漁業をするために、今からできること、今でしかできないことがあるはずです。
長期的な取り組みとなることから、待ったなしの状況下でも目先のことに目移りせず、常に前を見て行動し続けることが重要だと考えます。
ここでは弊社が取り組んでいることのほんの一部をご紹介させていただきます。
月日貝(ツキヒガイ)の水揚げ量は毎年変動している
弊社が漁場としている月日貝(ツキヒガイ)の日本最大の産地である鹿児島県日置市での水揚量は、毎年大きく変動しています。
日本最大の産地といえど、全国へ安定供給するにはまだまだ程遠いというのが現状です。
月日貝(ツキヒガイ)の生態は解明されていないことが多く、自然界での生息数や生息数増減が何に起因するかもまだ十分に分かっていません。
天然の月日貝(ツキヒガイ)がもっと多く安定的に獲れるようにするために、そして高品質な月日貝(ツキヒガイ)をお届けするために、あらゆる観点から鋭く切り込んでいく必要があります。
サステナビリティ

「月日貝(ツキヒガイ)の魅力をもっと多くの人に知って欲しい。」この想いから月日貝(ツキヒガイ)を広めるべく日々活動しています。
しかし、日本人の食の欧米化が浸透するにつれ、魚介離れが顕著に現れてきました。このまま単純に漁をしているだけでは衰退の一途を辿ることになるでしょう。
そうなっては現役漁師の収益が上がらないどころか、次代の漁師の未来を閉ざすことになります。
弊社では「持続可能な漁業」を実現するために、漁業の持続性とは何かを考えました。当然のことながら、ただ漁をするだけであったり、後のことを全く考えず目先のことにばかり目を向けていては、漁業を取り巻く環境が悪化していきます。
そこで、月日貝(ツキヒガイ)漁において、漁業関係者と共に以下の「ツキヒ漁獲サイクル」を策定し、遵守することとしました。
漁獲可能期間 | 9月〜翌3月 |
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操業時間 | 最大2時間/回(シーズン毎に設定) |
漁獲量 | 100kg以内/隻回 |
漁獲可能サイズ | 10cm以上(県の採捕許可は8cm以上) |
より厳しい制限を設けたのは、月日貝(ツキヒガイ)の生息数の安定化を図るためです。
獲りすぎても良くない、小さくても良くない。漁具の改良だけでなく、漁師の意識改革が最重要でした。
「持続可能な漁業」をするためには常に未来に目を向けて、漁業を取り巻く環境を維持・向上していかなければなりません。
絵に描いた餅にさせないためにも、月日貝(ツキヒガイ)と会話し、海を観察し、関係者の話に耳を傾け、1つ1つのことに向き合いながら漁業に励んでいます。
自然界では外敵も多く、潮の流れに飲まれてしまい絶命する個体も多くいます。身を守ってくれるのは赤と白の貝殻だけ。細砂地を好む月日貝(ツキヒガイ)には、船の碇の役割を持つ器官がないため、激流に耐えられず流されてしまいます。
月日貝(ツキヒガイ)はとてもデリケートな生物です。これまでごく一部の地域でしか扱われなかった月日貝(ツキヒガイ)を今度は人の手で守り、育んでいく時代になったのだと感じています。